現在、スーパーアプリの登場でよりスマホアプリが大転換期を迎えています。
スーパーアプリとは「1つのスマホアプリ内で、サードパーティ製の様々Webアプリを起動できるプラットフォームアプリ 」です。
皆さんが普段利用している「LINE」もスーパーアプリのひとつです。
スーパーアプリの中で起動できるアプリのことを日本では「ミニアプリ」と呼びます。
そんな最中、2019年にLINE株式会社が新たにリリースしたのがLINEミニアプリ(LINE Mini app)です。
しかし、まだまだLINEミニアプリ(LINE Mini app)というサービスを知らない方も多いと思います。
そこで今回は、LINEミニアプリ(LINE Mini app)の出来ることや特徴、機能開発やメリットなどをわかりやすく解説いたします。
ミニアプリ(Mini app)が注目されている理由
最近では、カスタマーサービスの一環として、メンバーズカードやクーポン配信などの機能のネイティブアプリを開発する企業が増えています。
しかし、せっかく開発してもアプリをダウンロードする手間などもあり、企業は宣伝コストをかけてもダウンロードされにくいという課題がありました。
そこで、多くのユーザーが日常的に使用するプラットフォームアプリの中で、DLせずにアプリを利用できるミニアプリ(Mini app)が注目を集めています。
ミニアプリ(Mini app)とネイティブアプリの違い
ミニアプリ(Mini app)と通常のネイティブアプリの一番の違いは、「Apple Store」や「GooglePlay」からのダウンロードが不要なことです。
一般的にアプリは「Apple Store」や「GooglePlay」からダウンロードが必要となりますが、ミニアプリ(Mini app)はその必要がありません。
日常的に使うプラットフォームアプリ(スーパーアプリ)内で、企業が開発するアプリと同じような機能をダウンロード不要で利用することができます。
LINEミニアプリ(LINE Mini app)とは
LINEミニアプリ(LINE Mini app)とは公式アカウントとは別のサービスで、「LINE」上からモバイルアプリのダウンロードを必要とせずにアプリの機能が利用できるサービスです。
2020年7月から一般に開発申請が開始されました。
LINEミニアプリ(LINE Mini app)とLINE公式アカウントの違い
「LINEミニアプリ」と「LINE公式アカウント」は、それぞれ役割が異なります。
「LINE公式アカウント」の場合、友だち登録が必要ですが、「LINEミニアプリ」の場合は友だち登録の必要もなく「サービス」のエリアから通常のWebサイトと同じようにすぐにサービスが利用できます。
頻繁に利用するがダウンロードするのが手間」「毎回WEBブラウザから起動するのが面倒」というアプリを利用するのに向いているサービスです。
ただし、サービスの利用のみなので、ユーザーへのメッセージの配信はできません。
また、「LINE公式アカウント」は友だちになった利用ユーザーをリピート化させることができます。
メッセージ配信やチャットボットを利用し、自社サービスの利用、商品の購入を販促することができます。
それぞれターゲットが異なるため、どちらかを選ぶというよりは必要に応じて両方の利用をおすすめします。
「LINEミニアプリ」と「LINE公式アカウント」はともにLINEが提供しているLIFF(LINE Front-end Framework)という技術を使用しWebアプリの機能を開発することできます。
組み合わせた使い方としては、下記のようなものがあります。
・「LINEミニアプリ」を利用する際に「LINE公式アカウント」も自動で友だち追加されるように認証設定を行う。
・LINE公式アカウントのリッチメニューから、LINEミニアプリ(LINE Mini app)が起動できるようにする
上記のような使い方をすることで、プッシュ通知等のユーザーに対する発信ができるようになります。
LINE公式アカウントを利用しているユーザーがLINEミニアプリ(LINE Mini app)の存在を知らなかったとしても利用してもらえるきっかけづくりになります。
更に既知のユーザーにとってもユーザビリティ的に利用しやすくなります。
LIFF(LINE Front-end Framework)とは
LINEのトーク画面で、ブラウザを開くことができる機能です。
LINEのトーク画面でブラウザを開くだけならば以前から可能でしたが、そのブラウザを開いているユーザーのLINEのユーザーIDを取得することができます。
つまりLINEのアカウントに紐づけたアンケートの取得などが可能になります。
LINEミニアプリ(LINE Mini app)を使うメリット
ここまではミニアプリ自体の特長を説明してきました。
ここからはLINEミニアプリ(LINE Mini app)の優れているところをユーザー(顧客)側のメリットと企業側のメリットに分けて説明します。
ユーザー(顧客)がLINEアプリ(LINE Mini app)を使うメリット
1. アプリのダウンロードが必要ない
LINEさえあれば利用したいサービスのミニアプリをLINE内で選択するだけで簡単に使用ができます。
2. スマホのホーム画面をすっきりさせられる
ユーザーは自身のスマホのホーム画面には、普段使うアプリ以外は残しておきたくないため、買い物の時などに一時的にダウンロードしたアプリは削除されてしまいます。
LINEミニアプリ(LINE Mini app)であればLINEに集約されるため、そのような心配もなく、すっきりした画面を維持することができます。
3. スマホの容量を圧迫しない
ミニアプリは新たにアプリのダウンロードが不要なためスマホの容量を圧迫しません。
4. ネイティブアプリに近い機能が利用できる
LINEミニアプリ(LINE Mini app)は、企業や店舗が提供している予約フォームやクーポン、ポイントカード、お支払い機能、お知らせ機能、などのサービスをLINEのプラットフォーム内で使うことができます。
企業がLINEミニアプリ(LINE Mini app)を使うメリット
ユーザーメリットだけでなく、企業にとってもミニアプリで開発することは大きなメリットがあります。
1. 約8,900万人のアクティブユーザーが利用しているため自社サービスの展開が容易で使用してもらいやすい
ユーザーのメリットでLINEミニアプリは簡単に使用できると記載させていただきましたが、それ自体が企業にとってのメリットの一つになります。
LINEミニアプリ(LINE Mini app)自体利用ハードルが低く削除されにくいだけでなく、アプリも自動バージョンアップされるためユーザーにとっての負担も少なくなります。
2. ユーザーにメッセージ配信しやすく圧倒的な開封率・既読率でユーザーの反応が分かりやすい
通常のネイティブアプリの場合、ダウンロード後に削除される可能性があるためプッシュ配信が届きにくい問題がありました。
LINEミニアプリ(LINE Mini app)とLINE公式アカウントを連動させれば、開封率が100%近く既読率がメルマガと比べ遥かに高く圧倒的に読まれやすいLINEのメッセージ配信を行うことが可能になります。
これまで、DMやメルマガでユーザーにしっかりと届いたか、どのような反応があったかイマイチ分かりづらかったというケースが多くありましたが、LINEミニアプリ(LINE Mini app)の活用により相互コミュニケーションの活性化が期待できます。
3. ネイティブアプリに比べ開発費用抑えることができる
ネイティブアプリの場合、iOSとAndroidの両方を開発する必要がありますが、LINEミニアプリ(LINE Mini app)の場合LINEプラットフォームに対応するように1つのwebアプリを開発すれば済むので、開発費を約半額に抑えることが出来ます。
またアップデートも自動で反映されるためアジャイルなアプリ開発にも向いています。
4. 課金型のサービスの場合、30%の手数料がかからない
アプリ上で課金が発生する場合iOSとAndroidともに売上の30%の手数料がかかります。
LINEミニアプリ(LINE Mini app)の場合はかからず、企業側はクレジットカードでもLINE Payでも、自社で自由に決済手段を設定することが出来ます。(※決済事業社が設定する通常の決済手数料はかかります)
ミニアプリの今後の展望
今後、スーパーアプリが盛り上がりを見せ、ますますLINEミニアプリの需要は向上していくと考えられます。
ただし、ネイティブアプリという存在は決して消えるわけではありません。
今後は、状況やターゲット、より高度な機能をアプリに盛り込む際には必要になってくるため、各企業に合ったアプリの活用法を検討し利用していく必要があるがあります。
まとめ
ここまでLINEミニアプリ(LINE Mini app)について簡単にまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?
SNSの中でもLINEならインストールされている・できるという方は多いと思います。
LINEの月間アクティブユーザー数は、約8,900万人、日本の人口の70%以上が利用しているSNSだからこそ、LINEミニアプリ(LINE Mini app)のサービス提供は価値があると言えるでしょう。
LINEミニアプリ(LINE Mini app)のサービスはまだ提供を開始したばかりで、その存在や名称、仕組みなどを知らないという方がほとんどです。
しかし、そんな今だからこそ、企業はLINEミニアプリ(LINE Mini app)を取り入れて、他社との差別化を図り一歩リードしようとしています。
以下に今回の要点を簡単にまとめました。
・LINEミニアプリ(LINE Mini app)はLINEからアプリを起動できる新しいサービス
・ユーザーはアプリのダウンロードが不要で、友だちに追加するだけで利用できる
・企業はメッセージ配信しやすく課金型のサービスの場合、30%の手数料がかからない
・ 今後は多くの企業でLINEミニアプリ(LINE Mini app)の開発と活用が進んでいくことが予想される
LINEミニアプリ(LINE Mini app)はまだまだ新しいサービスのため、開発会社や開発事例は多くありません。
現在は、LINE公式パートナーを通さない形でもLINE社の審査を通れば開発することが可能です。
WeCodeでは、LINE公式アカウント/LINEミニアプリ(LINE Mini app)の開発実績と豊富なノウハウがございます。
LINEミニアプリの開発を検討されている方や要件がはっきりしていないがミニアプリを開発したいという方はお気軽にWeCodeにご相談ください。